イベントレポートプログラミング

創造的思考力を持つX人材の育み方って?対話する読書会「ライフロング・キンダーガーテン」イベントレポート

 

今までun-controlはインタビュー記事のみの掲載でしたが、先日すごく面白いイベントに参加してきたので、これを機にインタビュー記事以外にも挑戦できればと思います。

というわけで、今日は6月18日に開催された 対話する読書会「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」のイベントレポートです。

■目次
1.読んだのは、「創造的思考力のはぐくみ方」について考える本
2.そもそも「クリエイティブラーニング」って何?レゴを作りながら考えてみよう
3.344ページの本を1時間で読んだよ!
4.考えが深まる対話タイム
5.感想

読んだのは「創造的思考力のはぐくみ方」について考える本

読書会で読んだのはこちらの本「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」。

子どもたちを真のデジタルネイティブである「クリエイティブ・シンカー」(創造的思考力・発想力を身に付けた人)に育てるにはどうしたらよいのか――。そのために、大人たちはどのように振る舞えばよいのか――。プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の開発者が世に問う、人生100年時代の新しい教育論。(Amazon商品ページから引用)

本のテーマが「クリエイティブ・シンカー」(創造的思考力・発想力を身に付けた人)に育てるにはどうしたらよいか」ということで、テーマ自体も気になって参加したのですが、それ以上に読書会自体にも面白い点が。

読書会というとただ本を読んで、まじめに意見交換をするというイメージですが、なんとこの読書会では、レゴをみんなで作る時間があったり…

読書会なのになんと「事前に本読んでこなくても大丈夫ですよ」と言われたり。

読書会自体が「クリエイティブであること」を意識して構成されていたので、とても楽しく、また勉強になりました。

そもそも「クリエイティブラーニング」って何?レゴを作って考えてみよう

さっそく本を読み始めるのかと思いきや、ファシリテーターの元木さんからみんなに手渡されたのは、なつかしのレゴ。

元木さん「今から、スライドに映し出された言葉からイメージするものを『レゴ』で思いのままに作ってほしいと思います。終わったら何を考えながら作ったのかペアで発表する時間もとりますね」

そして、スライドに映し出されたのは、こちらの文字。

creative learning(創造的な学び)

というわけでさっそくレゴづくりスタートがしました。

初対面の方もいましたがレゴの効果で場も和やかに。

作ってみると、意外にこれが難しいんですよね。「創造的な学び」と一言にするとよさそうなものに聞こえてしまいますが、細かく言葉で表そうとすると実は自分でも「よく分かってないもんだなあ」と。

それでもレゴを目の前に試行錯誤しているうちに、考えが少しずつまとまってきました。私が作ったレゴはこんな感じです。

私のなかで「創造的な学び」というと、これまでun-controlで取り上げてきたような野本さんファミリーや、北本さんファミリーの学びがイメージの基礎になっているので、「様々な領域(科学、哲学、歴史、プログラミング等々)を子どもが自分の興味に従って主体的に行き来するなかで学ぶこと」なのかな、と。

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他の方のレゴも見せていただいたのですが、すごく発見が多かったです。

例えば、こちらの方は…

クリエイティブラーニングに対して「遊びと真面目」「熱中とよそ見」といったイメージを挙げられていました。

真面目に取り組むだけじゃなく遊び心とのバランスとが必要だよね。ひとつに熱中し続けることも必要だけどいろんな領域に目線を向けることも必要だよね。という話をして、自分にはない視点が興味深かったです。

(具体的なワードを忘れてしまったので、私が覚えている範囲のニュアンスで記載しております。ご本人が意図していたこととずれていたらすみません・・・)

344ページの本を1時間で読んだよ!

ここからは、実際に「ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則」を読んでいくことに。

とはいえ、344ページもある本をどうやって1時間で読むのかな、と思っていたら…

元木さん「本をいくつかのパートに分けて、それぞれの担当を決めます!自分が読んだところの内容を自分なりにでいいので画用紙5~6枚にまとめてみてください。終わったら2分程度で内容について発表してもらいますね」

(この方法めっちゃいいな…私は自分だけで読むと本を読み終えられたことほとんどないからなあ…)そう思いながら、30分程度で自分の担当章を読んでいきました。

私が担当したのは5章の「遊び(play)」の章。

他のみなさんが書いた部分は載せられないので、詳しい内容は本を読んでいただければと思いますが、

パターナー:構造やパータンに興味がある
ドラマティスト:物語や社会的交流に興味がある
→子どもの興味に沿った入口があるとより取り組みやすくなる

A人材:指示やルールに従う
X人材:リスクをおかして挑戦する
→X人材を増やしていくにはどうしたらいいか

4つのP
Project(プロジェクト)
Passion(情熱)
Peers(仲間)
Play(遊び)

のように、気になる概念がたくさんありました。

考えが深まる対話タイム

最後は対話タイム。

元木さん「本の内容をみなさんに発表してもらいました。今からは、その発表を聞いてみんなではなしあってみたいと思ったこと、疑問に思ったことを自由に付箋に書いてもらいます。あがった意見のなかでみんなが興味があるものについて少し話してみたいと思います」

みんなからでたのは、こんな疑問の数々。

このあとの対話タイムも盛り上がりました。私たちのグループで話したのは、こんなテーマ。

・学びには、仲間が必要なときと、専門家(専門的な知識を持っている人)が必要なときがあるのでは
・では、仲間と専門家との違いとは何なのか?
・専門家が必要とされるのってどんなときなんだろう

・よく学校では「振り返り」といって感想を書かせたりするけどあれって必要?
・言語化できていなくても感覚で感じることができていればいいのでは?
・子どもたちにとっての振り返りってなんだろう

面白かったなあ~。

アップデート主義読書会

最近、佐渡島洋平さんの「WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~」でアップデート主義について知ったのですが、今回の勉強会はまさにアップデート主義、という感じがしました。

今までの勉強会だと「本を読み込んできてそこでどれくらい質の高い意見が出せるか」ということが主眼に置かれていた気がして(勝手に)意見が若干いいづらかったな、と。

でも今回は、30分で読みましょう。2分で発表してみましょう!興味あること話し合ってみましょうか。レゴつくりながら今考えてみましょう!といった感じで「その場で」「自由に」考えられるという安心感がありました。まさに本の中でも紹介されていた成長型マインドセット(間違えても大丈夫という安心感)がベースになっているのかなと思いました。

だからたくさんの意見がでたのかなと。場づくりの仕方としてもとっても勉強になりました~!

※アップデート主義についてはこちらの記事にまとまってます。

というわけで次回も楽しみです。対話する読書会に興味があるかたはぜひfacebookフォロー(unworkshop.org)してみてください!

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